丹後地方では晩秋から冬にかけて、北西の季節風が雨や雪を運んできます。地元ではこれを「うらにし」と呼びます。
私は当地に1年8ヵ月ほど住みましたが、こちらは四季の変化が非常にはっきりしていて、おそらく日本人がイメージするとおりの四季なのだろうと思います。
早春はまだ風が冷たく、陽春には桜花が咲き誇り、初夏に山々が新緑に覆われ、盛夏にはその緑が濃くなり、紺碧の海が陽光に煌めきます。
仲秋には稲穂が黄金色に実り、晩秋には柿の実がなり、野山が赤や黄色に彩られます。初冬には海が荒れ始め、空がどんより曇ります。そして厳冬には白い世界が広がります。
これは私たちの民族が長い歴史の中で体験してきた、典型的な日本の四季ではないでしょうか。都会に住んでおられる方にとっては、季節の移ろいに直接触れる機会が多くないかもしれませんが、丹後では常に身近なところで、繰り返し巡ってくる季節に出合うのです。
晩秋、阿蘇海周辺の山々は紅葉が進み、ご覧のような色彩を見せます。
今年は11月19日に寒波が襲来して、こちらでも初雪が降りました。その翌日にも降雪がありました。次の写真はその折に、当ホテルから阿蘇海を隔てて、雪の積もった山々を眺めながら撮ったものです。
これから師走に入ると、下の写真のような曇り空となり、モノトーンの世界に包まれます。
空は暗いですが、蟹をはじめ、食べるものの一層美味しくなるのが、丹後の冬です。
2008.11.28 Friday
うらにし