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2008.09.22 Monday

間人から琴引浜へ

 久しぶりに丹後半島北岸を訪ねましょう。今日ご案内するのは、間人(たいざ)から琴引浜(ことひきはま)にかけての海岸線です。
 8月には海水浴客で賑わったこの地域も、秋になるとすっかり落ち着きを取り戻します。

 「間人」と書いて「たいざ」と読む理由については、地元に次のような伝承が残されています。
 6世紀末に蘇我氏と物部氏が対立して争乱が起きたとき、この地に聖徳太子の母親・間人(はしうど)皇后が、幼い太子とともに避難してきたと言われています。彼らの血筋は蘇我氏系であり、ここはその領地だったのですね。
 やがて乱が終息し、大和へ帰る皇后は、世話になったこの地に、自分の名を贈りました。しかし村人は、直接「はしうど」と呼ぶのは恐れ多いと、皇后が退座したことに因んで、「たいざ」と読んだそうです。
 現在、皇后と太子の像が、立岩の傍で海を眺めるように立っています。
間人皇后と聖徳太子
 この地には漁港があり、冬の味覚「間人ガニ」で有名です。

 間人漁港から海岸線に沿って西進すると、「城嶋」(しろしま)という小さな島が陸地に隣接しています。
 戦国時代には城塞があったそうで、夏は青い海が広がりますが、冬など荒れる日本海の波濤が押し寄せて、城兵の心細さは如何ばかりかと思いました。
城嶋

 更に西へ進むと、丹後地方の典型的な風景を見られる、なかなか風光明媚な海岸線が続きます。次の写真は逆光の下、眼前の磯浜を撮ったものです。
砂方海岸

 この海岸の先には、「琴引浜」があります。
 鳴き砂で有名な美しい砂浜で、「日本の渚百選」にも選ばれています。好天の日、砂浜を歩くと、石英の粒が振動してクックッという音がします。
琴引浜
 ゴミなどの不純物が砂に混じると、音が鳴らなくなるため、地元では美しい状態を保全すべく、懸命に努めています。

Author : 天橋立ホテル | 秋の丹後 |