これまでに幾度か、私が登った丹後の山々をこのブログでご紹介してきましたが、最初に登った「磯砂山」(いさなごさん 661m)を、まだ取り上げておりませんでした。
写真に春の花が写っているのが、その理由ですから、登山後1年を経て同じ季節が巡ってきた今、改めてご案内させていただきます。
磯砂山は京丹後市の南部に聳える、羽衣天女が舞い降りたという伝説を持つ山です。
全国各地にこの伝説が残されていますが、「丹後国風土記」には日本最古と言われる羽衣伝説が記されております。磯砂山の池で水浴びをする天女の羽衣を老夫婦が持ち帰り、天女は老夫婦の娘となって、酒造りで里を豊かにしたという物語です。
また羽衣を持ち帰ったのが狩人で、天女を妻にしたものの、やがて天女は隠された羽衣を見つけ、天へ帰っていったという、別系統の物語も残されております。
磯砂山に登るには、西麓を流れる鱒留川(ますどめがわ)に沿って遡り、南側の登山道を行くのが一般的です。
車道の終点には駐車場もあり、そこへ自動車を置いて、登山道へ足を踏み入れます。始点に立つ標識によると、山頂までは1010段あるようです。
登山道は思いのほか整備され、頂上までの残りの段数を示す標識が、随所に設けられていました。
途中で、天女が水浴びしたとの伝説が残る池にも寄ってみました。但し池というより、窪地の水溜りという感じです。
歩き始めてから、約40分で山頂に到着しました。
山頂は広々とし、四方に展望が開けています。
また、山頂には天女伝説のモニュメントが置かれていました。
その傍らには、水仙の花が咲いています。
山頂に半時間ばかりいて、下山を始めました。
登るときには気づかなかった周囲の様子が見えてきました。山の木々もようやく萌えてきたようです。
下山して、鱒留川に沿って自動車を走らせ、北麓から振り返りますと、八重桜が咲く川岸の向こうに、今しがた登った磯砂山の姿が見えていました。
2009.04.26 Sunday
磯砂山と天女伝説