これまでご案内した丹後各地は、海岸に近い場所が多かったと思います。しかし、当地は内陸にもすばらしいところが多く、加悦谷や大江山を既にご紹介しました。
これらに引き続き、今回は山間部の集落を取り上げます。
宮津市の市域は、天橋立の北へも広がっています。その面積の大きな部分を占めるのが、「世屋(せや)高原」です。今日はそちらへ行ってみましょう。
ところどころ狭い箇所はありますが、自動車でかなり奥まで行くことができますし、路線バスも運行しています。上世屋(かみせや)集落の秋は、ご覧のような雰囲気です。低地より少し遅れて稲が実り、稲木(いなき)に刈穂が掛けられていました。
この地は最近、映画の舞台にもなっています。瀬尾まいこさんの小説「天国はまだ遠く」が原作で、都会生活に疲れたOLが、自然や人々の温かさに癒されて、元気を取り戻していくという物語です。
世屋高原や天橋立・宮津市街でロケが行われ、来月から全国の映画館で公開されるそうです。
上世屋の集落から更に奥へ坂道を上りますと、「木子」(きご)という集落への道が分岐しています。そちらへ向かえば、やがて広大な畑が広がり、遠くに民家が点在するのが見えてきます。丹後半島の山間部に、こんなに平坦な農地があるのが不思議なくらいです。
木子の集落には、農家のほかにペンションもあり、私が訪れたときには蕎麦の白い花が咲いていました。
木子への分岐を元の道に戻り、更に奥へ進みますと、「世屋高原家族旅行村」があります。
域内の車道を南へUターンするように走れば、道は次第に下り坂となり、その先に棚田が広がります。実った黄金の稲穂の先には、遥かに宮津湾が眺められます。
ここより先は道が細くなりますので、来られた道を引き返し、上世屋から海岸沿いの国道178号線方面へお帰りください。
なお、旅行村から北へは「丹後縦貫林道」が通じており、スイス村や碇(いかり)高原へ行くこともできます。
2008.10.07 Tuesday
世屋高原の秋