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2008.11.04 Tuesday

伊根の舟屋

 8月14日のブログで、天橋立から伊根(いね)までの道をご案内しましたが、今日は伊根の舟屋(ふなや)をもう少し詳しくご紹介します。
 
 私が初めて伊根の舟屋を知ったのは、1993(平成5)年に放映されたNHKの朝の連続ドラマ「ええにょぼ」でした。神戸の医大を卒業した新婚の女性研修医が、故郷の伊根に近い病院へ単身赴任し、遠距離夫婦のすれ違いや嫁姑問題に悩みながらも、医師として成長していく姿を描いたストーリーだったと記憶しています。
 当時、私は週末に神戸の街を歩くことが多かったので、神戸に親近感を持っていました。一方で伊根という地名は、その頃に初めて聞いたような気がします。
 因みに、「ええにょぼ」とは丹後方言で美人という意味だそうですが、私は今なお当地で直接、この言葉を(地酒の名前以外)耳にしたことがありません。

 さて、伊根の舟屋は今や有名な観光名所となっております。天橋立へ来られるお客様も、多く足を運ばれます。天橋立から伊根までの所要時間は、自動車を運転されて40分、路線バスに乗られて55分というところです。
 自動車の場合、国道178号線を進み、伊根町役場手前の交差点を右折されますと、舟屋群が建ち並ぶ集落へ行くことができます。
 舟屋は海から直接、船を民家の1階へ収容できるようにした構造で、現在約230軒あると言われています。今日は、舟屋や伊根湾をよく見るために、伊根湾めぐりの遊覧船に乗ってみましょう。私も昨秋、同じコースを体験してみました。
朝の伊根湾へ

 伊根湾は丹後では珍しく、南側が開けた入江です。日本海の荒波を防ぐ、天然の良港と言えるでしょう。
 遊覧船が出航しますと、乗船客の手にする「えびせん」を期待してか、多くのカモメが船を追いかけてきます。一説に、カモメは最近では魚よりも「えびせん」を好むとも聞きます。どうなのでしょうか?
 時折、カモメより大きいトンビまで舞い降りてきます。
遊覧船とカモメ

 遊覧船が伊根湾に入ります。湾口には「青島」(あおしま)という小島があり、蛭子(えびす)神社が祀られています。
 湾内にはところどころ、いけす筏が浮かび、浮桟橋のような場所で魚釣りをしている人もいました。舟屋群はぎっしりと並び、背後にはすぐ山が迫っています。
舟屋群
 瀬戸内出身の私は、潮の干満の差は大きいものだと思って育ちました。その目で見ますと、丹後の海は干満差が非常に小さく、それゆえに舟屋も成り立つのでしょう。
 船は湾内を一周し、30分の航海を終えて、元の船着場へ戻ります。

 その後、高台にある道の駅「舟屋の里伊根」(舟屋の里公園)へ行って、先ほど遊覧したばかりの伊根湾を見下ろしました。陽光を浴びて、水面が輝いています。
伊根湾を見下ろす

Author : 天橋立ホテル | 秋の丹後 |