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2008.10.13 Monday

味土野から碇高原へ

 前々回に山間部へ足を踏み入れたのを機に、今回も丹後半島の奥深くへ入ってみましょう。今日ご案内するのは、味土野(みどの)と碇(いかり)高原です。

 味土野は、丹後半島の最奥部と言ってもよいところで、ここには本能寺の変の後、細川忠興(ただおき)夫人・たま(明智光秀の娘)が幽閉されていました。
 丹後に伝わる話では、彼女は前々回ご紹介した世屋(せや)から味土野へ入ったらしいのですが、今は現地へ行こうとすると、西側の国道482号線から府道654号線を利用するのが一般的です。
 この写真の山々の奥懐に、彼女の隠棲地があります。このあたりから道は随分細くなります。
味土野の山野

 彼女が幽閉されていた「女城(めじろ)」へ行ってみました。この付近には、昭和初期は40戸ほどの民家があったそうですが、豪雪などで住民の大部分が去ったと言います。
 城跡に佇みますと、こんな山中に彼女は隠棲していたのかという感慨が湧いてきました。ここなら人目につかないでしょうから、この地が選ばれたことに納得してしまいます。
ガラシャ隠棲地
 彼女はやがてこの地を去り、大坂(大阪の表記は明治以後)へ移ります。そこでカトリックに帰依して、「ガラシャ」(神の恵み)という洗礼名を受けました。
 関ヶ原の合戦時、西軍の人質となるのを拒んで、彼女は死を選びます。その劇的で数奇な生涯を思うと、彼女が住んだ地に400年余を隔てて自分が立っていることが、不思議な気さえします。

 味土野から北東へ車を走らせ、蕎麦で有名な野間(のま)を過ぎますと、太鼓山(たいこやま)という丹後半島の最高峰があります(標高683m)。
 そこには風力発電所が設けられ、6基の巨大な風車が稼働しています。高さ75m、プロペラの長さが25mというのには驚きました。
太鼓山風力発電所

 更に北へ向かいます。そこには半島の中とは思えない、広々とした「碇高原牧場」が営まれています。
 ヤギや子羊が草を食むのを見ていると、心が癒されますね。
碇高原牧場
 ここは日本海が近く、天気が良ければ青い海の広がりを目にすることもできます。

Author : 天橋立ホテル | 秋の丹後 |