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2008.11.10 Monday

筒川の晩秋

 舟屋で有名な伊根から、国道178号線を北上しますと、半島を走っているとは思えないような山河が、ほどなく車窓に展開します。

 このあたりを流れる筒川(つつかわ)流域には、8月17日のブログでもご紹介した「浦嶋神社」があるなど、浦島太郎の伝承が今に息づいています。
 神社に伝わる由緒書では、浦島太郎は元々「浦嶋子」(うらのしまこ)という名前で、西暦478年に「常世(とこよ)の国」へ行き、825年に帰って来たのだそうです。時の淳和(じゅんな)天皇はこの話を聞き、浦嶋子を「筒川大明神」と名付け、小野篁(おののたかむら)を勅使として宮殿を造営させたと言います。
浦嶋神社
 境内資料室には、室町時代作とされる玉手箱も伝わっています。

 筒川に沿って河口へ下り、本庄浜(ほんじょうはま)に佇んで海を眺めますと、沖には、まず近くに鯛釣岩(たいつりいわ)、遠くに沓島(くつじま)を見ることができます。沓島の右側には更に冠島(かんむりじま)もあるのですが、この位置からは見えません。
本庄浜
 いかにも浦島太郎が帰って来た浜辺という感じがしませんか?

 筒川を遡ります。盆地状になっている流域には田畑が広がっています。更に奥へ進みますと、山々が次第に色づいてきました。緑の中に赤や黄色が点在して綺麗です。
木々が色づく

 以前、晩秋に京都の寺社の庭で、燃えるような紅葉(もみじ)を見ていた私は、丹後へ来て、この木をそんなに見かけないのに気づきました。京都では長い歴史をかけて、作庭を重ねてきたから目立つのでしょうね。
 そのかわり丹後半島では、山々全体が黄色に彩られるところが多く、行く秋を感じさせます。
全山が黄色に
 この辺の名産に「筒川蕎麦」があり、私も大好きです。

Author : 天橋立ホテル | 秋の丹後 |