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2009.01.06 Tuesday

文殊堂十日えびす

 国内各地の戎(えびす)神社では、年初に「十日えびす」が行われます。私が以前住んでいた京阪神でも、京都ゑびす神社、大阪の今宮戎神社、西宮神社などに、商売繁盛や学業成就を願う多くの参拝客が訪れ、境内は非常に賑わっていました。
 
 天橋立でも今週土曜日(10日)、日本三文殊の一つに数えられる「智恩寺」(ちおんじ)で、この催しがあります。
 この寺は年間を通じて、天橋立に来られる観光客の多くが拝観に立ち寄られます。しかし特に年初の「十日えびす」には、近郊から多数の参拝客が訪れ、文殊堂の前に長蛇の列ができるのです。この日は露店も出て、境内は大いに賑わいます。

 昨年の同じ時季、私も当地で初めての正月を迎え、智恩寺(文殊堂)へ出かけてみました。次の写真は、その折の様子です。
文殊堂境内
 当日は早朝から、文殊菩薩像の特別開扉や各種のご祈祷、福娘による福徳長寿の福棒授与などが行われます。

 拝観を終えて山門(黄金閣)を出ますと、門前に連なる土産物店や飲食店は、この日に合わせた華やかな飾りつけを施し、お客様を迎えていました。
門前の賑わい

 十日えびすが過ぎれば、正月行事にようやく一区切りつく感じです。しかし丹後では、厳しい冬が更に続きます。

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |

2009.01.02 Friday

この元旦も雪

 新年あけましておめでとうございます。
 天橋立ホテルは本年も、当地を訪ねられるお客様に、すてきな時間を過ごしていただけるよう、精一杯努めてまいりますので、よろしくお願い申しあげます。

 昨年末のブログで、2008年の雪の元旦についてお伝えしました。
 2009年の元旦も同様に、未明から雪が降り、朝には銀世界が広がっていました。但し、昨年より水分を多く含んだ、重い雪のような感じがします。
 新年の挨拶や仕事に一段落がついたとき、館外へ出て、まずは近くの智恩寺へ初詣に出かけ、お客様とホテル運営の安寧をお祈りしました。見回しますと、市街地の雪は車や人に踏まれ、シャーベット状になっています。私は新雪を見たくなり、また当地の新春風景を伺おうと、郊外へ車を走らせてみました。

 今年最初の写真は、平地地蔵(へいじじぞう)です。昨年12月9日のブログで、藁で編んだ頭巾と蓑を着けた姿をご紹介しました。
 以来、雪が石像に積もった様子を想像し、見てみたいと思っていたのです。新春に雪が降って、このお地蔵様が私の脳裏に浮かんできました。
 雪道を走り、現地へ行ってみますと、ご覧のような雪の中、ひとり静かに佇んでおられました。
雪を被った平地地蔵
 雪が積もると一層、昔話に出てくるお地蔵様みたいでしょう?

 道路を北上し、丹後半島の山中を走ってみました。田畑や山林に新雪が積もり、一面の白い世界が続いています。
雪の山野
 雪道を走るのも2年目となれば、運転に少し余裕が出てきました。しかし、冬タイヤでもスリップする場合があり、油断は禁物です。

 夕方、ホテルへ戻ったとき、阿蘇海上空の雲が切れて、水面に青空が映っていました。今年、良いことがあるのでしょうか?
夕晴れの阿蘇海

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |

2008.12.28 Sunday

雪の元旦

 1年前、私は当地での冬を、初めて迎えました。
 既に日本海は荒れ始め、私も自動車のタイヤを冬用に換えましたが、なかなか雪が降ってきません。

 しかし大晦日(2007年12月31日)が近づき、ようやく寒波が襲ってきました。ふと宮津湾に目をやると、天橋立の砂嘴の向こうに、うっすらと雪化粧した丹後半島の山々が見えます。稜線には雪雲がかかっていました。
世屋の山に冠雪

 車を丹後半島へ進めてみました。雪が激しく降ってきましたが、冬タイヤがしっかりと雪道を捉え、快適に走れます。
弥栄町の雪野
 このような雪の野山を見ながら車を運転するなど、私にとって初めての経験でしたので、少々怖いながら、気分は高揚していました。

 そして、2008年の元旦を迎えました。自宅の扉を開けると、雪が降り、道路に10cmばかり積もっています。
 ホテルへ出勤し、天橋立と阿蘇海を眺めました。最初は吹雪で対岸が見えませんでしたが、やがて雪が止み、見晴らしが良くなってきました。ロビーを出て撮ったのが、次の写真です。
元旦の天橋立  
 色彩のない世界が、こんなに美しいとは思いませんでした。
 
 2009年の元旦も冷え込む予報です。今回は、どのような情景を見ることができるでしょうか? 皆様も良いお年をお迎えください。

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |

2008.12.24 Wednesday

カトリック宮津教会

 丹後地方は、11月20日前後に初雪が降った後、暖かい日が続いていました。ようやく昨日、山の頂に冠雪が見られましたが、今日は穏やかな日和の中、クリスマスイブを迎えています。
 都会では、街中にクリスマスのイルミネーションが溢れていることでしょう。こちらでも最近、この時季の夜、色とりどりの電飾を楽しむ民家を見かけるようになりました。
 しかし、何よりこちらの夜は暗く静かで、これが本来あるべき姿ではないかという気がしています。夜空が晴れたときなど、多くの星々が散りばめられた光景に感動します。冬の星座で有名なオリオンや明るく輝くシリウスが、中でも一際目立っています。

 そのような当地の冬の夜ですが、宮津市役所の西側に建つ「カトリック宮津教会」へ行ってみますと、ご覧のようにライトアップされております。
天主堂の夜

 また、教会正面の右側には、クリスマスツリーを象ったイルミネーションが飾られています。
天主堂のイルミネーション
 これらがライトアップされるのは、年明けの1月6日までということです。

 この教会については、8月23日のブログで一度簡単にご案内していますが、改めてご紹介します。
 1885(明治18)年に神戸に着いたフランス人宣教師ルイ・ルラーブ神父が、3年間の京都での生活を経た後、丹後や周辺地域での布教活動のため、宮津に赴任しました。当時は禁教令が解除されて間がなく、「耶蘇」の宣教師に対する反感や嫌悪がなお強かったと言います。
 神父は初め借家を教会としましたが、重病を患った家主が、洗礼を受けて快復したことに感謝し、その家屋と敷地を神父に寄付したのだそうです。これを機に少しずつ信者が増え、聖堂を新築することになり、1896(明治29)年に献堂(竣工)式が行われました。
 それがカトリック宮津教会(洗者聖ヨハネ天主堂)で、現存する中では長崎の大浦天主堂に次ぎ、国内で2番目に古い教会です。現在も毎週日曜にミサが行われている現役の教会ながら、堂内には畳が敷かれており、明治中期の礼拝の様子を窺い知ることができます。
 堂内の写真を撮ることはできませんので、具体的なご紹介は控えますが、内部は厳かな雰囲気に包まれ、祭壇を前にしますと、敬虔な気持ちが自然に湧き起こります。

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |

2008.12.20 Saturday

日本海の風濤 〈2〉

 私が子供の頃に住んでいた瀬戸内地方の冬は、晴天の日が多く、空気は乾き、風も強くありませんでした。
 一方、今住んでいる日本海側の当地は、北西の季節風が吹き、雨や雪の日が多くて、湿潤な冬です。但し対馬暖流の影響で、気温はそんなに低くありません。
 そのような気候の違いが、当地に来てから日が浅い私にはまだまだ珍しく、日本海側に住んでいることを実感している毎日です。

 昨年の今頃、私は車を幾度か丹後半島の北岸へ走らせました。荒れた冬の海を見るためです。瀬戸内の凪いだ海面は、琴の名曲「春の海」を思い起こさせるような穏やかさでしたから、私にとって日本海の風濤は、憧れの対象ですらあったのです。
 前回ご紹介した間人(たいざ)の「立岩」(たていわ)付近の海岸は、高い波を特に間近で見られる場所のように思いました。
 砂浜に立ち、沖を見ていますと、ご覧のような風浪が次々と押し寄せてきます。
寄せ来る波
 波頭が幾重にも連なっているでしょう?

 波は浜に近づくと、強い風を受け、先端が割れ、飛沫となって砕け散ります。
砕け散る波

 また時折、波長が重なって、瞬く間に津波のように大きくせり上がり、砂浜の私めがけて襲いかかります。
せり上がる波
 デジカメのモニターには、巨大な波濤が私を飲み込みそうに映り、驚いて思わず尻もちをついてしまいました。

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |