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2008.12.24 Wednesday

カトリック宮津教会

 丹後地方は、11月20日前後に初雪が降った後、暖かい日が続いていました。ようやく昨日、山の頂に冠雪が見られましたが、今日は穏やかな日和の中、クリスマスイブを迎えています。
 都会では、街中にクリスマスのイルミネーションが溢れていることでしょう。こちらでも最近、この時季の夜、色とりどりの電飾を楽しむ民家を見かけるようになりました。
 しかし、何よりこちらの夜は暗く静かで、これが本来あるべき姿ではないかという気がしています。夜空が晴れたときなど、多くの星々が散りばめられた光景に感動します。冬の星座で有名なオリオンや明るく輝くシリウスが、中でも一際目立っています。

 そのような当地の冬の夜ですが、宮津市役所の西側に建つ「カトリック宮津教会」へ行ってみますと、ご覧のようにライトアップされております。
天主堂の夜

 また、教会正面の右側には、クリスマスツリーを象ったイルミネーションが飾られています。
天主堂のイルミネーション
 これらがライトアップされるのは、年明けの1月6日までということです。

 この教会については、8月23日のブログで一度簡単にご案内していますが、改めてご紹介します。
 1885(明治18)年に神戸に着いたフランス人宣教師ルイ・ルラーブ神父が、3年間の京都での生活を経た後、丹後や周辺地域での布教活動のため、宮津に赴任しました。当時は禁教令が解除されて間がなく、「耶蘇」の宣教師に対する反感や嫌悪がなお強かったと言います。
 神父は初め借家を教会としましたが、重病を患った家主が、洗礼を受けて快復したことに感謝し、その家屋と敷地を神父に寄付したのだそうです。これを機に少しずつ信者が増え、聖堂を新築することになり、1896(明治29)年に献堂(竣工)式が行われました。
 それがカトリック宮津教会(洗者聖ヨハネ天主堂)で、現存する中では長崎の大浦天主堂に次ぎ、国内で2番目に古い教会です。現在も毎週日曜にミサが行われている現役の教会ながら、堂内には畳が敷かれており、明治中期の礼拝の様子を窺い知ることができます。
 堂内の写真を撮ることはできませんので、具体的なご紹介は控えますが、内部は厳かな雰囲気に包まれ、祭壇を前にしますと、敬虔な気持ちが自然に湧き起こります。

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |