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2008.08.01 Friday

夏の夜の行事

 いよいよ8月になりました。
 既にブログに書きましたように、丹後の夏は想像以上に明るく輝いているのです。入道雲が湧く空や青く煌めく海、木々や稲の緑が目に優しい野山、これらが訪れる人々を迎えてくれます。
 昼は暑くても、夜には概ね気温が下がります。都会のような熱帯夜は殆どありません。やはりアスファルトに覆われている面積が広くなく、水や土が露出しているからでしょうか。
 また夏の夜には、多くの祭礼やイベントが行われます。都会にいると暑さを嘆くばかりで忘れがちな季節の営みが、日本海に面した当地では脈々と受け継がれています。
 今日は、私が昨年の夏に見た、天橋立や丹後の夏の夜の行事を、二つご紹介します。これらはともに今年も行われますので、ぜひご覧ください。

 まず「天橋立・炎の架け橋」です。昨年は7月下旬に行われましたが、今年は8月2日(土)です。午後7時半、天橋立の砂浜に並べられた300本の篝火に一斉に点火され、約30分間、天橋立が夏の夜の闇に浮かび上がります。
 この写真は大天橋東側の波打際で撮ったものですが、ビューポイントとしては他に、小天橋や天橋立ビューランドなどがあります。
天橋立・炎の架け橋(大天橋にて)

 そして「宮津の灯篭流し」です。日本三大灯篭流しの一つとされ、例年8月16日の夜に催されます。今から約400年前、細川幽斎(ゆうさい)が宮津に城を築き城下町が形成された頃、人々が盆に迎えた先祖の霊を再び極楽浄土へ送るため、供物に灯を添えて海に流したのが起源と言われています。
 初盆の家から精霊船が流され、それを囲むように万余の灯篭が海を漂います。その後、花火が華やかに打ち上げられ、老若男女が一斉に夜空を仰ぎます。
 私は宮津で初めて海上の花火を見て、海と花火がこんなにもよく合うのかと驚きました。涼しい海風が花火の煙を吹き払うとき、行く夏を惜しむ気持ちが湧き起こり、これこそ日本の夏だと実感します。
宮津・灯篭流し

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |

2008.07.30 Wednesday

夏の風景

 今日は、天橋立や丹後の夏の風景写真を3点、ご紹介します。

 最初は「天橋立海水浴場」です。天橋立の東(宮津湾)側の砂浜が海水浴場となっていて、当ホテルから徒歩7〜8分のところにあります。
 天橋立といえば白砂青松で有名ですが、正にその風景の中で海水浴を楽しむことができます。北近畿タンゴ鉄道の駅やホテル・旅館からも近く、お手軽に夏の海を満喫できると言えましょう。
天橋立海水浴場

 次は「野田川の向日葵(ひまわり)」です。場所は与謝野町字四辻(野田川わーくぱる東側)で、今年は8月2〜10日の間、開園されます(入園料は大人200円)。
 向日葵の総数は約15万本と言われます。暑い日中に咲くこの花は、私たちを元気づけてくれる夏の花の代表格ではないでしょうか。
野田川の向日葵

 それから「緑の田野」です。京丹後市大宮町の変哲もない眺めながら、電柱やコンクリートの建物が見えない、日本の夏の典型的な田園風景のように思います。丹後地方をドライブしていると、至るところでこのような景色を見ることができます。
 夏の樹木や稲穂の緑は、なんと目に優しい色なのでしょう! 海あり山あり、丹後では美しく心休まる風景が数え切れません。
緑の田野

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |

2008.07.28 Monday

金引の滝祭り

 昨夜、宮津市街の西にある「金引の滝」(かなびきのたき)の祭りへ行ってきました。

 実は昨年も祭りがあるのは聞いていたのですが、用事が重なり行けなかったのです。数日後に滝だけでも見ようと思い、現地へ寄ってみましたら、落差40m、幅20mもある大きな滝でした。京都府下で唯一「日本の滝百選」に選ばれているだけあって、堂々とした滝で、水量も豊かでした。
金引の滝
 宮津市街の近くに、このような大滝があるのに驚きました。そのときは周囲には誰ひとりおらず、滝の音だけが木々の間にこだまし、数日前の祭りの舞台がまだ残っていました。以来、次回こそは行ってみようと考えていたのです。

 夜7時から祭りが始まるので、滝への薄暗い坂道を登ります。路傍には灯がともされていました。
滝への坂道

 祭りは、滝の不動尊の火を巫女さんが松明(たいまつ)に移すところから始まります。次に巫女舞が行われました。滝の水が青白く光り、幻想的な雰囲気です。
 そして「渡リ来ル風コンサート」が続き、篠笛やキーボードの音が心地よく響きます。このような雰囲気で音楽を聴くのも清々しいものです。
渡リ来ル風コンサート

 いつの間にか8時半になっており、次の予定もありましたので、帰途に就くことにしました。コンサートの後は大護摩法要があるそうです。

 宮津や丹後では夏の間、灯篭流しや花火大会など、情緒溢れる催物が目白押しです。日本の夏は、このようなところでこそ味わえるのではないでしょうか。

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |

2008.07.23 Wednesday

丹後−夏の海 〈1〉

 瀬戸内海の沿岸で育った私は、少年時代に海に筏(いかだ)を浮かべて遊びました。当時、私の視界には必ず島々の風景が入っていましたので、高知の桂浜へ旅行したとき、初めて水平線というものを見て驚きました。海と空を仕切るのは正に一直線であり、本当に地球は丸いのだろうかとさえ思いました。
 丹後へ来た今、天橋立から少し北上すれば、水平線は身近なところにあります。私は、晴れた日に車を運転して丹後半島を一周するのが好きなのですが、黒い磯浜も白い砂浜もあって、美しく変化に富む海岸線です。時々山の中も走ります。

 この季節、特に印象的なのは青い海と澄んだ水です。「弁当忘れても傘忘れるな」とは、日本海側の天候を指してしばしば言われる言葉ですが、それは晩秋から初冬の天候であって、夏は明るく、空気も煌めいている感じです。
 京都・大阪・神戸からほど近いところに、このような別天地があるのです。また、海水がこんなに澄んでいようとは、こちらへ来るまで知りませんでした。澄んだ水が、そのまま水平線まで続いているのです。空が広い、海が大きい、明るく青い! それが夏の日本海の印象です。
 下の写真は、丹後半島北部の「屏風岩」(びょうぶいわ)、そして「立岩」(たていわ)の風景です。ともに国道178号線沿いにあります。

〔注〕 立岩付近の砂浜は護岸工事中ですが、写真のような風景を眺めることはできます。

屏風岩

立岩

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |

2008.07.20 Sunday

文殊堂出船祭

 天橋立ホテルは昨日、久しぶりに多くのお客様を館内にお迎えし、無事リニューアルオープンを果たすことができました。ありがとうございました。今後とも皆様のご利用をお待ちしております。

 さて、この7月24日(木)の夜には、宮津市文珠地区(天橋立の南端)で、「文殊堂出船祭」(もんじゅどう でふねまつり)が行われます。因みに、文殊菩薩を指す場合と、文珠という地名を表す場合とは、文字が異なりますので念のため。
 ここには、平安時代の延喜年間(10世紀初頭)創建と伝わる古刹「智恩寺」(ちおんじ)があり、日本三文殊の一つとされる知恵の文殊菩薩像が、文殊堂の本尊として祀られています。
 出船祭では、宮津踊りや龍の舞、打ち上がる花火が見ものです。龍の舞というのは、昔このあたりの海を悪龍が荒らし、人々が困っていたところ、文殊菩薩が悪龍を教化して善龍に変えたという、この地域における文殊菩薩信仰の謂れをモチーフにしたもので、なかなか迫力があります。
 今日も晴天。天橋立はいよいよ本格的な夏を迎えます。

出船祭−龍の舞

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |