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2009.06.21 Sunday

舞鶴・自衛隊桟橋

 以前、私が大浦半島の「舞鶴親海公園」へ行ったとき、海上自衛隊のイージス護衛艦「みょうこう」(全長161m、基準排水量7,250t)が舞鶴湾口を航行するのを、たまたま目にしたことがあります。
舞鶴湾口
 因みに「イージス」とは、同時に多数の空中目標を捕捉し、これらを迎撃できる画期的な防空システムを指します。
 自衛艦であれ一般船であれ、大きな艦船の航行を間近で見ると、心が躍ります。

 大阪湾などでは、自衛艦を見かけることは殆どありません。そこで今日は、自衛艦が停泊している東舞鶴の「自衛隊桟橋」へ行ってみることにします。なお、東舞鶴の界隈は、昨年9月1日のブログで取り上げておりますので、そちらもご覧ください。

 天橋立から東へ向かい、宮津市街・由良を通り過ぎ、西舞鶴から国道27号線に沿って、東舞鶴を目指します。東西の舞鶴は、山地で市街が隔てられています。
 山地を抜けた国道が、北から東へ向きを変えてまもなく、自衛隊の艦船が停泊する「北吸(きたすい)桟橋」が、左側(北)に見えてきます。
 このあたりは、20世紀初頭に完成した軍港(海軍・舞鶴鎮守府)の跡地で、現在は「海上自衛隊・舞鶴基地」となっております。ここでは特に事情のない限り、土日曜・祝日には、近寄って艦船を見ることができるのです。

 敷地内へ入ってみましょう。乗ってきた自動車を門内へ進め、自衛官が配置された受付で、住所・氏名等を記しますと、見学許可証が手渡されます。
 桟橋には、濃い灰色の大きな艦船群が停泊しており、最初に例の「みょうこう」を見つけました。
護衛艦みょうこう
 日本が保有するイージス護衛艦6隻のうち、「みょうこう」「あたご」の2隻が、舞鶴を母港としています。

 その先には、補給艦「ましゅう」(221m、13,500t)が停泊していました。燃料を積載するだけあって巨艦です。岸壁に沿って歩き、「みょうこう」の艦首から「ましゅう」を眺めました。
補給艦ましゅう

 私が訪れた日は、護衛艦「みねゆき」(130m、2,994t)を、甲板上で見学することができました。僚艦「あぶくま」と2列に並んで停泊しています。まず「あぶくま」に架けられた通路を上り、甲板を横切って「みねゆき」へ移りました。
 艦上には対艦・対空ミサイルや、対潜魚雷の発射装置などが配備されていました。日頃見慣れないだけに、驚きの連続です。次の写真は、前方の速射砲の傍らから、艦首方向を撮ったものです。
みねゆき艦首
 その後、甲板を艦尾へ回ってから、岸壁へ降りました。普段見られない自衛艦に接することができて、多少興奮してしまいました。

〔注〕 海上自衛隊(舞鶴地方隊)のホームページを検索し、この7月20日までの見学予定を見てみますと、7月4〜5日を除く土日曜・祝日(9〜16時)は、指定された護衛艦の甲板に上がって見学することができるようです。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |

2009.06.07 Sunday

碇高原牧場

 細川ガラシャ夫人が幽閉されていた味土野(みどの)から、(いかり)高原への山間部の道を、以前ご案内したことがあります(昨年10月13日のブログ)。
 今日は、その碇高原にある牧場を訪ねてみましょう。

 碇高原は丹後半島北部に広がる、標高400mのなだらかな高原です。ここへは、南西の野間(のま)からも、東の筒川(つつかわ)からも、北の海岸からも、それぞれ車道を通って行くことができます。
 初夏の牧場はご覧のとおり、明るい緑の絨毯を敷き詰めたようです。
牧場全景

 牧場の面積は88ヘクタールもあり、京都府畜産技術センターによって営まれています。場内には遊歩道が設けられ、羊・ヤギ・ポニー・ウサギなどと、間近に親しむことができます。
 私が行ったときも、ヤギの親子が目の前を悠々と歩いていました。
山羊の親子
 左奥には、青い日本海が見えています。

 丹後半島の山中とは思えない、広々とした牧場でしょう? 私はここが大好きで、季節ごとに何度も訪れています。
 羊やヤギが草を食むのを見ていると、心が癒されますね。
草を食む山羊

 場内の一角には小さな厩舎があり、ポニーが外へ出ていました。
仔馬

 また敷地内ではステーキハウスが営業しており、雄大な景色を眺めながら、ゆったりと食事を楽しむこともできます。
 この牧場は、天橋立・伊根・間人(たいざ)などの観光地からは幾分離れていますが、途中の景色も美しく、時間を割いて訪れる価値は充分にあると思います。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |

2009.05.31 Sunday

初夏の丹後半島へ

 季節は春から夏へと、着実に移ろいを見せています。
 今日は、天橋立から国道178号線を伊根方面へ向かい、車窓から見える海岸の様子をご案内します。

 天橋立北端の府中を過ぎ、しばらく車を走らせますと、ほどなく右側に、栗田(くんだ)半島との間に挟まれた海が見えてきます。宮津湾です。
 日置(ひおき)の集落を経て、先へ進みます。栗田半島もそのうち見えなくなり、広々とした海原が、初夏の陽光に煌めきます。
 今の時季、海岸沿いには地元の方が育てた花が咲き、青い海に彩りを添えています。
波見海岸1
 ここは、里波見(さとはみ)という地区です。沖には伊根の亀島(かめしま)半島が見えてきました。
波見海岸2
 眩しい海と、鮮やかな花の色の取り合わせが、とても綺麗でしょう?

 そのまま北へ進めば、長江(ながえ)地区です。このあたりは、瀬尾まいこさんの小説を映画化した「天国はまだ遠く」のロケ地にもなりました。
長江海岸
 海と花を見ながらのドライブは、心が浮き立ちますね。

 伊根が近づく頃、国道は海岸を一旦離れて、山中を走ります。伊根湾の風景は5月3日のブログでもお伝えしましたので、今日はそちらには立ち寄らず、もう少し北を目指すことにします。
 蒲入(かまにゅう)漁港や経ヶ岬への道筋の途中、国道を東へ逸れて、(とまり)という集落へ向かいました。
 そこは入江になっており、漁港や海水浴場があります。
泊の入江
 初夏の日差しは強く、やがて来る真夏の輝きを予感させました。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |

2009.05.24 Sunday

加悦谷の晩春

 近年、都市近郊では宅地化が進み、まとまった田野がなかなか見られなくなりました。しかし丹後地方では、今も広大な田畑が耕されています。
 春から夏へ季節が変わる頃、田には水が張られ、濃さを増した山々の影を映します。最初の写真は、天橋立の南西−「加悦谷」(かやだに:与謝野町)の田園風景です。
大江山西麓1
 奥に見えるのは酒呑童子伝説の大江山(おおえやま)連峰で、こちら側は西麓に当たります。

 デジカメを持ったまま、左(北)を向いて撮ったのが、次の写真です。
大江山西麓2
 空を映した水からは、小さな稲が顔を覗かせていますね。遥か遠くには、丹後半島の山並みが眺められます。

 この近辺にある「温江」(あつえ)という集落は、歌人・与謝野晶子の夫である鉄幹(てっかん)ゆかりの地です。
 実は与謝野鉄幹自身は京都市で生まれましたが、彼の父親・礼厳(れいごん=浄土真宗の僧侶)が当地出身であり、明治初年から出身地に因んで、与謝野の姓を名乗りました。鉄幹は父の故郷である丹後を、妻・晶子を伴って幾度か訪れております。
 天橋立には彼らの歌碑があります。そして温江には、与謝野礼厳の追念碑が立てられていました。
与謝野礼厳追念碑

 温江はご覧のように、水田の懐かしい風景が広がる里です。初めの2枚の写真を撮ってから半月を経て再訪しましたので、草木の色がずっと濃くなっています。
温江の田野
 私には、日本の原風景のように思えました。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |

2009.05.17 Sunday

ハマナス咲く天橋立

 行く春を惜しむこの季節、好天の日を選んで天橋立を見下ろしますと、澄んだ空の下、白砂青松の浜が海中に延びる、豪壮にして優美な風景を楽しむことができます。
晩春の飛龍観
 この絶景を目にすれば、当地が古来「日本三景」とされたことに、思わず納得してしまいます。

 ところで、「知床旅情」の歌に「ハマナスの咲く頃」という詞がありますね。この詞に示されるように、この植物は北海道や東北地方など、冷涼な地域の砂地に自生しており、日本海側の南限は鳥取県と言われます。
 天橋立の砂浜にも、晩春から初夏にかけて、ハマナスの花が咲いているのです。
 文珠(もんじゅ:天橋立の南端)の廻旋橋を渡り、次の大天橋の手前で、砂浜に沿って東へ歩きますと、ご覧のような群生に行き当たります。
ハマナス咲く浜辺

 ハマナスを漢字で書けば「浜茄子」かと思いますが、どうやら正しくは「浜梨」のようです。
 砂浜に生えて、果実が梨のような形であることから、浜梨と名づけられ、その語尾が訛って、ハマナスとなったという説が有力です。
 紅色の花が咲きますと、青い海、白い砂浜が、更に美しくなりますね。
ハマナスの花
 バラ科に属し、果実は直径2cmほどの大きさで赤く、盛夏から初秋にかけて結実します。
 皆様も天橋立を散策される折、砂浜でハマナスを探してみてください。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |