今日は天橋立・宮津を離れて、丹後半島、そして由良から舞鶴にかけての、桜の名所をご案内します。
舟屋で有名な伊根から更に北へ進みますと、蒲入(かまにゅう)という漁港があります。
丹後半島を巡る国道178号線は、漁港が見えてくるあたりで、道路の海側に桜並木が続きます。振り返れば、桜の合間から丹後半島の断崖が眺められました。
丹後半島の先端・経ヶ岬(きょうがみさき)から、半島北岸を西進します。斜面に棚田が広がる袖志(そでし)を経て、ほどなく丹後松島(たんごまつしま)に着きました。
陽春の日本海は波が穏やかです。海と桜は、実によく似合いますね。
今度は、宮津から東へ向かい、北近畿タンゴ鉄道の丹後由良駅前まで来てみました。駅前の道の両側には、等間隔に植えられた桜の古木が、見事な花を咲かせています。
このような桜並木が京阪神になどあれば、見物客が殺到するでしょうに、当地では休日の昼間にも拘らず、ご覧のように、人影を殆ど見かけません。
満開の桜を、正に独り占めでした。
由良川を渡り、舞鶴市街へ入ります。舞鶴湾の西岸に、「吉田瑠璃寺」(よしだるりじ)という仏寺があり、そこの枝垂桜が立派で美しいのです。
戦国武将・細川幽斎が京都の吉田から桜を移し、以後この地が吉田と呼ばれるようになったそうです。
丹後各地では、他にも美しい桜を多く見かけますが、都会と異なり、雑踏に揉まれて見物するということは殆どありません。
暖かい日差しの中で、散りゆく桜花を静かに見ておりますと、日本の春の情緒とはこういうものかという思いがします。
2009.04.12 Sunday
丹後の桜 〈2〉