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2009.04.12 Sunday

丹後の桜 〈2〉

 今日は天橋立・宮津を離れて、丹後半島、そして由良から舞鶴にかけての、桜の名所をご案内します。

 舟屋で有名な伊根から更に北へ進みますと、蒲入(かまにゅう)という漁港があります。
 丹後半島を巡る国道178号線は、漁港が見えてくるあたりで、道路の海側に桜並木が続きます。振り返れば、桜の合間から丹後半島の断崖が眺められました。
桜咲く蒲入

 丹後半島の先端・経ヶ岬(きょうがみさき)から、半島北岸を西進します。斜面に棚田が広がる袖志(そでし)を経て、ほどなく丹後松島(たんごまつしま)に着きました。
陽春の丹後松島
 陽春の日本海は波が穏やかです。海と桜は、実によく似合いますね。

 今度は、宮津から東へ向かい、北近畿タンゴ鉄道の丹後由良駅前まで来てみました。駅前の道の両側には、等間隔に植えられた桜の古木が、見事な花を咲かせています。
丹後由良駅前
 このような桜並木が京阪神になどあれば、見物客が殺到するでしょうに、当地では休日の昼間にも拘らず、ご覧のように、人影を殆ど見かけません。
 満開の桜を、正に独り占めでした。

 由良川を渡り、舞鶴市街へ入ります。舞鶴湾の西岸に、「吉田瑠璃寺」(よしだるりじ)という仏寺があり、そこの枝垂桜が立派で美しいのです。
吉田瑠璃寺
 戦国武将・細川幽斎が京都の吉田から桜を移し、以後この地が吉田と呼ばれるようになったそうです。

 丹後各地では、他にも美しい桜を多く見かけますが、都会と異なり、雑踏に揉まれて見物するということは殆どありません。
 暖かい日差しの中で、散りゆく桜花を静かに見ておりますと、日本の春の情緒とはこういうものかという思いがします。

Author : 天橋立ホテル | 春の丹後 |