私はこのたび異動により、2年間過ごした天橋立を去ることになりました。
しかし、この間に丹後各地を探訪して接した四季の表情には、実に忘れがたい情趣がありますので、当面は丹後を再訪しながら、これらをお伝えしたいと存じます。
今回と次回は、丹後各地に咲く桜をご案内します。
まず天橋立と、その周辺の桜です。天橋立の北側にある府中駅から、山腹の傘松公園までは、ケーブルカーで4分、リフトで6分ほどです。
ケーブルの敷かれた斜面には、桜の花が咲き誇っていました。
傘松公園の展望台からは、天橋立の砂嘴が延びる様が眼下に見え、こちらでも桜が咲き始めています。
正に、天橋立・丹後に春が来た、という感じですね。
宮津市街でも、滝上公園をはじめ各所で美しい桜を見かけますが、山王宮日吉(さんのうぐうひよし)神社の境内に咲く桜には、「含紅桜」(がんこうざくら)という固有名詞が付いています。江戸時代前期(17世紀後半)、当時の宮津藩主によって命名されました。
樹種はヤマザクラで、開花後は日ごとに薄紅色へ変化していきます。宮津市の天然記念物にも指定されております。
次の写真は、宮津市北部の世屋(せや)高原の奥地に咲く一本桜です。
上世屋の集落を過ぎ、家族旅行村付近の斜面を南東へ少し下りますと、田畑の中で孤高を保つように開花し始めています。
低地では花の見頃を過ぎた時分でも、標高500m近い高原では、これから満開を迎えるところでしょうか。
斜面の先には、宮津湾や栗田(くんだ)半島が見えています。
次回は、丹後半島や由良・舞鶴の桜を、幾つかご案内します。
2009.04.05 Sunday
丹後の桜 〈1〉