私が丹後地方に住むようになって、夏の日本海が青く煌めくのに驚いたことは、これまでブログに何度も書かせていただきました。
しかし一方で、冬の日本海の荒波こそ、ぜひ見てみたいものだと密かに思っていました。
もっとも、冬になればいつも海が荒れているのではありません。それでも北西の季節風が吹くこの時季は、他の季節よりも、荒れる海を見ることのできる割合が多くなります。
先日、知人を案内して丹後半島の北岸をドライブしていたとき、視界に入る海を見て、時節柄、波が高くなってきたと思いました。
まずは観光名所の「丹後松島」(たんごまつしま)です。
寄せてくる波が、静かな季節とは違います。
西へ向かい、竹野川河口の玄武岩「立岩」(たていわ)へ寄ってみました。春先からの護岸工事が終わり、付近の砂浜に人影は見られません。
それまでの曇り空が晴れ、海が青くなってきました。立岩を撮ろうとデジカメを構えていましたら、押し寄せる波浪が立岩に激突し、飛沫が高く上がりました。それを見て、急いでシャッターを切ったのが、次の写真です。
立岩は高さが20mあります。それを越えて飛沫が上がる、驚くべき迫力を感じ取っていただけますか?
立岩の傍には、「間人(はしうど)皇后と聖徳太子」の母子像が、まるで海の彼方を見つめるように立っています。
以前(9月22日)のブログでご紹介したときは、明るい浜辺の写真を載せましたが、改めて初冬の夕暮れ時に訪れてみると、全く違った像のように寂しく感じます。
次回のブログでは、薄暗い空の下、沖から寄せてくる、冬の日本海の波濤をご紹介します。
2008.12.15 Monday
日本海の風濤 〈1〉