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2008.08.20 Wednesday

経ヶ岬から立岩へ

 今回も引き続き、丹後半島を巡ります。

 最北端の経ヶ岬から西へ、国道178号線を車で走りますと、最初に現れるのは、袖志(そでし)という集落で、海岸近くの道路に沿って、民家が軒を並べています。家並みの背後の山腹には、見事な棚田が営まれており、「日本棚田百選」にも名を連ねているところです。
 車を一旦降りて、棚田の間を縫う農道から見下ろせば、海と、浜辺に迫る田と、それらに挟まれるように集まる家々が、非常に印象的です。
袖志の棚田

 袖志の西隣には、尾和(おわ)という集落があります。袖志に比べてなだらかな地形になりますが、やはり海の傍まで水田が作られていて、特徴ある形の犬ヶ岬(いぬがみさき)が遥かに見えてきます。
尾和からの犬ヶ岬

 国道は時折大きなカーブを描き、美しい砂浜と荒々しい磯浜が、入れ替わり右側に現れます。
 犬ヶ岬の手前に、「丹後松島」(たんごまつしま)という展望の名所があります。これまで通って来た砂浜・磯浜の景色をここから振り返ると、海に小島の浮かぶ「陸奥松島」に似ていることから、こう呼ばれるのでしょう。
丹後松島

 犬ヶ岬のトンネルを抜けると、ほどなく「屏風岩」(びょうぶいわ)が見えてきます。波の浸食でできた、高さ13mの奇岩です。
 更に進めば、「立岩」(たていわ)があります。玄武岩で柱状の割れ目があり、高さは20mです。春から夏は一般に波が穏やかですが、晩秋から冬にかけて日本海が荒れると、この岩より高い波しぶきが上がることも珍しくありません。
 屏風岩と立岩の夏の写真は、7月23日のブログでご紹介しております。

 立岩のあるあたりには、竹野川(たけのがわ)が流れ込みます。近くには第9代開化天皇の妃・竹野姫(たかのひめ)が天照大神を祀ったのに始まるとされる「竹野(たかの)神社」や、日本海三大古墳の一つ「神明山(しんめいやま)古墳」(全長190m、5世紀初頭)などがあり、古くから開けた地域であったことが窺えます。

Author : 天橋立ホテル | 夏の丹後 |