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2009.03.03 Tuesday

豪商稲葉本家

 江戸時代の丹後には、宮津7万石(本庄氏)、田辺(舞鶴)3万5千石(牧野氏)、峰山1万3千石(京極氏)の三つの藩がありました。また幕府直轄領として、久美浜(くみはま)に代官所が置かれていました。
 久美浜は、天橋立からは国道312号線を西北西の方向に、自動車で約1時間走ったところにあり、往時を偲ばせる古い町並みが今も残っています。その中心部に、今日ご案内する「豪商稲葉(いなば)本家」が建っております。
 稲葉氏は、美濃の稲葉一族(織田信長家臣)の末裔と言われ、江戸時代には糀(こうじ)製造や廻船業を営み、近隣諸藩の金融を一手に引き受ける豪商でした。
豪商稲葉本家

 稲葉家の母屋は5年の歳月をかけて、明治23(1890)年に完成しました。母屋の玄関を入りますと、いきなり吹き抜けの大空間が広がり、圧倒されます。
母屋玄関間

 1階には座敷や書斎があり、更に奥へ廊下を進めば、数寄屋風の書院座敷に行き着きます。これは江戸時代に建てられた、「吟松舎」(ぎんしょうしゃ)と呼ばれる建物です。
 奥座敷や茶室の更に向こうには、緑が美しく広い庭園が造られていました。
吟松舎庭園

 母屋へ戻り、2階へ上がってみました。窓が開けられており、先ほど見せていただいた吟松舎の甍が、銀色に輝いていました。
二階からの甍

 敷地内には幾つかの蔵があり、現在は資料館として、貴重な文物が展示されています。
 中庭を経て、玄関の反対側にある「雛御門」(ひなごもん)から外へ出てみました。卯建(うだつ)のある格調高い門構えでした。
雛御門

Author : 天橋立ホテル | 冬の丹後 |