これまでのブログで、私が丹後へ来て以来、三つの山に登ったことをお伝えしました。
最初に登ったのは08年4月、羽衣天女伝説の「磯砂山」(いさなごさん 661m)。次は7月、酒呑童子伝説の「大江山」(最高峰・千丈ヶ嶽 せんじょうがたけ 833m)。そして11月、山椒大夫伝説の「由良ヶ岳」(ゆらがたけ 640m)でした。
この3月、雪の心配もなくなって、早春の登山をしてみたくなりました。ある休日に登ろうと選んだのが、丹後半島北部に聳える「依遅ヶ尾山」(いちがおさん 540m)です。変わった名前ですが、丹後一の山が語源との説があります。
この山は、西方の海岸から遠望すると、一際目立つ稜線を持っています。私は稜線の形が、以前よく登った京都の愛宕山に似ていると思っていました。
沖を行く船舶から眺めますと、この山はその独特の形状から、位置がわかる良い目印となっていることでしょう。
依遅ヶ尾山へ登るには、間人(たいざ)近くで日本海に注ぐ竹野川(たけのがわ)を遡り、南麓から山頂を目指すことになります。
川沿いの道から眺めた山容が、次の写真です。菜の花が春を告げていますね。
登山口には駐車場があり、いよいよ登り始めます。
幅が広く緩やかな山道を歩きますと、数分のところに古代住居のような小屋が建ち、「ありが棟」と書かれています。「ありがとう」と読むのでしょうね。
そこからは細い山道を登ります。南側には、遥か先まで山並みが続いています。初めは木立の中を歩くのですが、斜面を登るに従って、熊笹や低木が多くなります。
早春の今は、木々はまだ冬枯れのままで、遠くまで見通すことができました。山頂が近づくにつれ、勾配が緩やかになります。途中で、猿の群れを見かけました。
登山口を出発してから50分ほどで、山頂に到着しました。
この山は、古くは巫女を養成する霊山と言われ、現在も山頂には、修験道の祖・役行者(えんのぎょうじゃ)の石像が祀られています。
山頂からは360度の展望が楽しめます。北方には青く広大な日本海、西方には間人や網野の町並みが見下ろせます。また目を南方に転ずれば、碇(いかり)高原牧場の草原が見えてきます。
山頂は広く、東へ進んでみますと、眼下に丹後半島最北端の経ヶ岬(きょうがみさき)を眺めることができました。
山頂に半時間ばかりいて、春の気配を楽しんだ後、下山しました。
2009.03.27 Friday
依遅ヶ尾山に登る