2月に入ってからも、丹後地方は比較的暖かい日が続いております。先月下旬に降った雪は、さすがに殆どの地域で融けてしまいました。
雪が積もれば、雪掻きや凍結で生活上は一苦労です。ただ野山が純白に装いを改めるのを見ておりますと、日常の風景とは違った、郷愁にも似た思いがよぎります。
しかし今日現在でなお、45cmの積雪量を残しているところがあります(京都府道路情報提供システムによる)。「世屋(せや)高原」です。今回はそこをご案内します。
実は、昨年10月7日のブログでこの高原を取り上げ、山里に稲が実り蕎麦の花が咲く、秋の様子をお知らせしました。
冬となれば、風景が一変します。私が訪れた先月中旬は、折しも降雪の後で、雪深い山里の情緒が随所に溢れておりました。
天橋立の南側から阿蘇海を周回し、北側の府中を通り過ぎ、国道178号線を更に北上します。宮津湾を若狭湾から仕切る栗田(くんだ)半島の北端が真横に見える頃、日置(ひおき)という集落に到達します。
そこから国道を離れ、左方に府道75号線を進みますと、車道は山中へ吸い込まれるように延び、下世屋(しもせや)の集落を経て、次第に高度を上げていきます。周囲は全くの田園風景で、棚田も作られています。その中を走り抜ければ、やがて上世屋(かみせや)の集落へ到着します。
次の写真は、集落を貫く道を上り、振り返って撮ったものです。
仲秋には稲穂が黄金色に実っていた田圃が、雪で一面覆われていますね。
集落から先へは、ご覧のような雪道を進みます。
除かれた雪が道路両端に押し上げられていますので、白銀一色の道ですが、ガードレールが補強されたようで、意外に走りやすいと思いました。除雪された方のご苦労に、頭が下がります。
「家族旅行村」のあたりへ来たとき、若狭湾が下方に見えてきました。眼前の白雪、冬枯れの木々、その向こうに青い海、晴れた空が広がり、非常に清々しい気分になりました。
除雪された道路は、やがて行き止まりとなっていました。そこから引き返し、次に木子(きご)集落への岐路へ車を進めました。
この集落は周囲を山に囲まれた、高原の奥懐に営まれています。広大な田畑が耕され、高層湿原もありますが、この時季はすべてが雪の下です。写真は、集落手前の雪原を撮ったものです。
降雪後、この地域へ足を踏み入れますと、「非日常」を思いきり体験できるような気がします。
〔注〕 今は残雪が多くありませんが、世屋高原は一たび大雪が降ると1mくらい積もる、丹後地方でも最も雪深い地域です。行かれる方は、天気予報など充分にご注意ください。また降雪時、雪道の運転に慣れていない方へは、このコースはお勧めできません。
2009.02.07 Saturday
雪の世屋高原